「アートランウェイ大津2025」開催レポート

はじめに

2025年5月11日、滋賀県大津のJR大津駅前にて、「アートランウェイ® OTSU 2025」が開催されました。本イベントは、“アーティスト自身が作品を手に、レッドカーペットを歩く”という新時代のアートパフォーマンス。ジャンルや世代を超えた16名の表現者たちが、日本全国(東京、和歌山、三重、岐阜、京都、愛知)から作品と共に街に現れ、観る人の心に鮮烈な印象を刻みました。

今回は、「記憶異世界芸術祭」の出展パフォーマンスとしても位置づけられ、“まちそのものを美術館にする”というテーマのもと、地域とのつながりを大切にした演出が施されました。

▪ 設営から開演まで

朝10時、スタッフと出演アーティストたちがJR大津駅前に集合。しかし、予定の時間に到着しなかったのはディレクター・Toyomi Dubai。
というのも、アーティスト用に発注したスタンドバナーの一部に不良が見つかり、急きょ再発注。ところが空輸の都合でなかなか届かず、なんと当日の朝になってようやく雄琴の営業所に届いたのです。Toyomiはそれを自ら受け取りに行き、ギリギリで現場に到着。少し遅れての合流となりました。レッドカーペットの設置、音響機材のチェック、出演順の確認など、限られた時間の中で着々と準備が進行。通行人の注目を集めながら、アーティストたちはそれぞれの作品を丁寧に整え、本番に向けて集中力を高めていきました。

▪舞台の設営

この日のために用意した舞台背景と、アーティストの作品をプリントしたバナースタンドが並び、全長18メートルのレッドカーペットが丁寧に敷かれていきます。会場には点字ブロックがあったため、一部のカーペットはその上を避けるようにカットして調整しました。いつものJR大津駅前が、みるみるうちにショーの舞台へと変わっていきます。
アーティスト全員で手際よく設営を進め、準備は着々と整っていきました。
この日のためにデザインされたフライヤーも、駅前を通る人々の手に次々と渡されていきます。

いよいよ、本番が始まります。

▪ パフォーマンスの進行

午後2時ちょうど、MC Toyomi Dubai の力強いコールが響き渡り、「ART RUNWAY®」がいよいよ開幕しました。
アーティストの名前が一人ずつ呼び上げられ、それぞれが自らの作品を掲げて、堂々とレッドカーペットを歩いていきます。その人、その作品に合わせて選ばれた音楽が流れると、まるで天空からスポットライトが差し込むような、特別な空間が次々と立ち上がっていきました。
MCは2人体制。英語パートはJayが担当し、日本語と英語のバイリンガルで繰り広げられるアーティストコールが、世界への広がりを感じさせます。
アーティストの伝えたい想い、本人の佇まい、そして作品の存在感。
それらすべてがライブで交錯するこの瞬間、観客たちは一瞬たりとも目を離せず、ステージに心を奪われていきました。
まるでエネルギーの渦が、JR大津駅前全体を震わせているような熱気に包まれました。

▪ ランウェイの後

ランウェイ終了後、慌ただしく撤収作業を終えたあとも、多くの方が展示ブースに足を運び、感想や温かいメッセージを届けてくださいました。
「素晴らしいショーでした!」という嬉しいお声もいただき、アーティストやスタッフの胸に深く刻まれました。
ディレクターのToyomi Dubaiはテレビ取材を受け、出演アーティストたちは公式PHOTOBOOK用の撮影やインタビュー収録へ。
アートランウェイは、ただレッドカーペットを歩くパフォーマンスにとどまりません。

この一歩を、「アーティストの情熱を世界に届けるための大きな一歩」にするため、次の展開へと動き始めています。

▪ ディレクター Toyomi Dubai からのメッセージ

アートランウェイをやりたい——そう思い立ったのは、2025年2月12日のことでした。
その4日後、「アートランウェイという企画を考えているんだけど」と相談したLOVERSARTS BARで、ひとりのフォトグラファーが「参加したい!」と手を挙げてくれたんです。その瞬間から、本気のスイッチが入り、すべてが動き出しました。
記憶異世界芸術祭への出展申し込み、WEBサイトの立ち上げ、出演者の募集、舞台セットの準備、フライヤーの制作……。
まるで嵐のような毎日が始まりました。
そして、たった3ヶ月足らずで夢がかたちになり、こうして現実となった今も、まだどこか信じられない気持ちです。たくさんの素晴らしいアーティストの皆さんに支えられ、今ここにいることに、心から感謝しています。

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